
三重県尾鷲市で勤務する消防士長が、オンラインカジノで常習的に賭博をしたとして逮捕された。
逮捕されたのは、紀北消防組合消防本部に勤務する柴田祐容疑者(40)。
警察によると、柴田容疑者は2026年6月ごろから約4カ月間、海外のオンラインカジノサイトに日本国内からアクセスし、約3000回、300万円相当のポイントを賭けた常習賭博の疑いが持たれている。
取り調べに対し、柴田容疑者は「4年前から賭博をしていた」と供述し、容疑を認めているという。
警察は銀行口座の出金履歴などから、柴田容疑者がオンラインカジノに使った金額は約1000万円以上に上る可能性があるとみている。さらに、勤務中にも賭博をしていた疑いがあり、利用実態を詳しく調べている。
4カ月で約3000回、300万円相当を賭けた疑い
今回の逮捕容疑で特に目を引くのが、その回数だ。
約4カ月間で約3000回。仮に120日程度として単純計算すると、1日平均25回ほど賭けた計算になる。
オンラインカジノでは短時間に複数回ベットできるゲームもあるため、この数字だけで日常生活のすべてを占めていたとは言えない。それでも、警察が常習賭博容疑で立件した背景を考えるうえで、相当な頻度だったことはうかがえる。
賭けたポイントは300万円相当。さらに本人は「4年前から」と話しており、警察はより長期間にわたる利用状況を調べている。
総額は「1000万円以上」か
警察は柴田容疑者の銀行口座の出金履歴などを調べ、オンラインカジノへの支出が約1000万円以上に達した可能性があるとみている。
ただし、ここで注意したいのは、賭け金総額と最終的な損失額は同じではないという点だ。勝った金を再び賭けるケースもあるため、「1000万円を賭けた=1000万円を失った」とは限らない。
それでも、4年間にわたり多額の資金がオンラインカジノへ流れていた疑いは重い。
発覚のきっかけは別事件の携帯電話解析
今回の事件は、オンラインカジノの捜査から直接発覚したわけではない。
警察が別の事件をめぐって柴田容疑者の携帯電話を解析したところ、オンラインカジノでの賭博が判明したと報じられている。
別事件の具体的な内容は現時点で詳しく明らかになっていない。ただ、スマートフォンの解析が今回の常習賭博容疑の端緒になったことは大きなポイントだ。
勤務中にもオンラインカジノをしていた疑い
さらに警察は、柴田容疑者が勤務中にもオンラインカジノで賭博をしていたとみて調べている。
柴田容疑者は消防士長。消防業務は火災や救急など、いつ発生するか分からない緊急事態に対応する仕事だ。
勤務中のどの時間帯に利用していたのか、休憩時間だったのか、待機中だったのかなどの詳細はまだ報じられていない。
ただし、勤務時間中の利用が確認されれば、刑事事件とは別に、公務員としての服務規律や懲戒処分の問題にも発展する可能性がある。
海外サイトでも日本国内から賭ければ犯罪
オンラインカジノを巡っては、「海外で合法的に運営されているサイトなら、日本から利用しても問題ない」と誤解されることがある。
しかし警察庁は、海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪だと明確に周知している。
サイトの運営国で合法かどうかと、日本国内から利用する行為が合法かどうかは別問題だ。
警察庁によると、賭博罪は50万円以下の罰金または科料、常習として賭博をした場合の常習賭博罪は3年以下の拘禁刑とされている。
「ポイント」でも問題になり得る
今回の報道では、柴田容疑者が「300万円相当のポイントを賭けた」とされている。
オンラインカジノでは現金を直接表示せず、サイト内ポイントやクレジットの形で賭けることがある。
しかし警察庁は、有料版だけでなく、無料版や無料ボーナス、ポイントなどの名称であってもオンラインカジノの利用をやめるよう注意喚起している。
名称や表示形式が変わっても、日本国内から金銭的価値を賭けてオンライン上の賭博を行えば、違法性の問題は残る。
消防士長という立場での「勤務中利用」が焦点
今回の事件では、オンラインカジノの違法性だけでなく、消防士長という公務員の立場も注目されている。
刑事処分と、所属する消防組合の懲戒処分は別の手続きだ。
現時点で紀北消防組合が柴田容疑者にどのような処分を行うかは公表されていないが、勤務中の賭博が事実と確認されれば、服務規律上の問題は避けられない。
特に消防は、出動に備えて勤務中の注意力と即応性が求められる職種だ。どの程度の頻度で勤務中に賭けていたのかは、今後の重要な確認事項になる。
なぜ4年間も続いたのか
柴田容疑者は「4年前から賭博をしていた」と供述している。
最初から高額を賭けていたのか。利用額が徐々に増えていったのか。勝敗の結果によって賭け方が変化したのか。
こうした具体的な利用経緯はまだ明らかになっていない。
また、家族や同僚が利用実態に気付いていたのか、勤務中の利用がどの程度あったのかについても今後の捜査で確認されるとみられる。
オンラインカジノは全国的な問題に
オンラインカジノはスマートフォン1台で利用でき、時間や場所を選ばない。
そのため、従来の賭博と比べて利用のハードルが低く、仕事中や移動中、自宅などでもアクセスできる。
警察庁もオンラインカジノの利用実態を把握するための調査を行い、取締りや違法性の周知を強化している。
2025年9月には、違法オンラインギャンブルへの誘導情報や広告・宣伝を禁止する改正法も施行されている。
今後の焦点は「勤務中の実態」と「総額」
柴田祐容疑者は容疑を認め、「4年前から賭博をしていた」と話している。
そのため今後の焦点は、単にオンラインカジノを利用したかどうかではなく、どの程度の頻度と金額で、いつ、どこで利用していたのかに移る。
約4カ月で約3000回、300万円相当。
そして4年間で約1000万円以上に上る可能性。
さらに勤務中にも賭博をしていた疑い。
消防士長という立場にありながら、なぜ長期間にわたって利用を続けたのか。
警察の捜査とともに、紀北消防組合側が今後どのような対応を取るのかも注目される。