~「夢を見た日」が「災害予言日」に変化した誤解拡散メカニズムと、責任逃れの全記録~
日本列島は平穏だった。たつき諒の「予言」は外れた。
しかし、これで終わりではない。真の興味深いドラマは「その後」に始まる。
🆕 【7月7日更新】2日後に明らかになった新事実
7月5日から48時間経過した現在、予言騒動の「その後」がより鮮明になってきた。SNS上では信者から批判者への急激な転換、物理的避難行動の実態、そして出版社の完全沈黙戦略など、この考察記事の予測を裏付ける、あるいは上回る現象が次々と確認されている。
🚨 そもそも「7月5日」は誤解から生まれた都市伝説
まず重要な事実を確認しておこう。たつき諒は「2025年7月5日に災害が起きる」とは一度も言っていない。
✅ たつき諒の実際の主張:「2025年7月に大災難が来る」
❌ ネットで広まった誤解:「2025年7月5日に災害が起きる」
なぜ「5日」が付いたのか?
→ たつき諒が「その夢を見た日」が2021年7月5日だった
→ 「夢を見た日」と「予言の日」が混同されて拡散
→ SNSで「7月5日がXデー」として独り歩き
つまり、「7月5日予言」自体が最初から存在しなかったのだ。これは現代の情報拡散における「電話ゲーム現象」の典型例といえる。元の情報が伝言ゲームで歪曲され、より具体的で刺激的な内容に変化していく過程が、リアルタイムで観察できた貴重な事例だった。
✈️ 7月5日当日:羽田空港「激混み」の実態
「金曜日の午前中なのに羽田空港激混みなんだが、よーわからん漫画家の予言を真に受けてる人こんなにいるんか。北海道方面と沖縄方面が特に多い」
実際の避難行動パターン:
• 津波回避型:内陸部(北海道)への避難
• 距離確保型:南方(沖縄)への一時退避
• 海外脱出型:インドなど長期滞在可能な国への移住
この物理的避難行動の規模は、当初の分析では十分に予測できていなかった重要な社会現象である。
🕰️ 「存在しない予言」が外れた日の反応パターン
2025年7月5日。もともと存在しなかった「予言」が「外れた」瞬間、興味深いのは信者たちの反応だった。彼らは「誤解に基づいて信じていた予言」が外れたことをどう処理したのか?SNS上では5つの明確なパターンが見られた。
反応パターン | 典型的な投稿内容 | 割合(推定) |
---|---|---|
時期ずれ説 | 「7月5日は誤解。本当は7月のどこか」 | 約40% |
回避成功説 | 「みんなの祈りで災害を防げた!」 | 約30% |
隠れ災害説 | 「太陽フレアや金融変動は予言通り」 | 約20% |
素直な諦め | 「外れたね。でも備えは無駄じゃなかった」 | 約8% |
怒りの転嫁 | 「デマを流しやがって」「逮捕されろ」 | 約2% |
実際のSNS投稿例:
• 「たつき諒は7/6の時点で警察に逮捕されろ!!! 国民を欺きやがって」
• 「SNSでのデマは逮捕されるのにたつき諒が逮捕すらされないの何で?」
• 「まじでたつき諒が逮捕されてもいいだろ」
心理的メカニズム:
熱狂的信者が一夜にして最大の批判者に転換する現象。投資した時間・感情・金銭への怒りが、予言者個人への攻撃として噴出している。
🔄 「時期がずれただけ」の心理的メカニズム
• 「そもそも7月5日じゃなくて7月だった。勘違いしてた」
• 「夢を見た日と災害の日は別って最初から言ってたじゃん」
• 「7月はまだ続いてる。月末まで油断できない」
• 「具体的な日付に囚われすぎていた。本質を見失っていた」
🆕 7月5日午前4時18分経過後の実際の投稿:
「予言の時間が来ても予言通りに日本滅亡しなかったと言っている方へ 今日とは言っていません 夢を見た時間です」
これは心理学でいう「認知的不協和の解決」の典型例だ。人間は自分の信念と現実が矛盾した時、現実を否定するか、信念を修正するかのどちらかを選ぶ。しかし信念への投資が大きすぎる場合、第三の道——解釈の変更——を選択する。
1. 時間軸の拡張:「まだ起きていないだけ」
2. 条件付き成功:「備えたから回避できた」
3. 部分的的中:「何かは起きた(太陽フレアなど)」
4. より大きな計画:「これは序章に過ぎない」
5. 陰謀論への転換:「真実が隠蔽されている」
6. 🆕 怒りの転嫁:「騙された被害者」として予言者を攻撃
📚 たつき諒本人の微妙な立ち位置
最も興味深いのは、たつき諒本人の反応だった。「7月5日」について「何かが起きる日というわけではない」と軌道修正した彼女は、7月5日後も絶妙なバランス感覚を見せている。
• 「7月5日」否定の軌道修正:「夢を見た日であり、災害が起きる日ではない」と明確に否定
• 「2025年7月」は維持:月単位の予言は取り下げていない
• 誤解の責任転嫁:「日付が独り歩きしてしまった」と他人事のように説明
• 出版社との距離:「出版社の意向中心で出版されてしまった」と商業主義を批判
• 🆕 完全な沈黙戦略:7月5日後は一切のメディア対応を拒否
これは巧妙な責任回避術だ。「私は2025年7月と言っただけ」「5日は夢を見た日」「勝手に誤解されただけ」という三段論法で、存在しなかった予言の責任すら回避している。しかも「2025年7月」という大枠の予言は維持したまま、具体的な日付だけを切り捨てる戦略は見事というほかない。
💰 飛鳥新社の「106万部」ビジネスの行方
売り逃げ成功:電子版を含めて106万部の大ヒット達成
責任の分散:作者の「自費出版」で距離を置く戦略
次の商材探し:オカルト・都市伝説ブームの継続活用
ブランド価値保持:「東日本大震災は的中した」ことは維持
🆕 完全沈黙作戦:7月5日後は「取材NG」で一切のコメント拒否
『私が見た未来 完全版』出版元は「取材NG」と完全に口を閉ざした。これにより:
• 責任の所在が曖昧化:作者も出版社も沈黙することで、批判の矛先が分散
• 商業的成功の保護:106万部の売上実績に傷をつけない
• 次回作への布石:「商業主義に利用された作者」のイメージで、次の出版への同情を誘発
この戦略により、たつき諒は「被害者」、飛鳥新社は「沈黙」、読者は「自己責任」という完璧な責任分散システムが完成した。
たつきさんが竜樹諒の名義で自伝を発表。文芸社から『天使の遺言』というタイトルで刊行されたことは象徴的だ。飛鳥新社との関係悪化を示唆しており、「商業主義に利用された」という立場を明確にしている。
🌐 海外の反応:香港・台湾の「騙された感」
最も深刻な影響を受けたのは海外だった。香港や台湾でも大きな話題になっています。現地の風水師などが積極的に情報発信したため、SNSで急速に広がっており、旅行客にまで影響が出ている状況で、予言が外れた後の反動も大きかった。
• 旅行業界の怒り:「根拠のないデマで経済損失」
• 風水師の責任転嫁:「日本の災害は先送りされただけ」
• メディアの総括:「日本のオカルト漫画に振り回された」
• 次の予言探し:「2026年は本当に危険」という新たな噂
• 🆕 経済的損失の継続:予言外れ後も日本旅行の回復は緩慢
予言が外れても、経済的影響は継続している:
• 香港航空会社:減便措置の即座の回復はなし
• 台湾旅行業界:「まだ7月だから」として慎重姿勢を維持
• 中国語圏メディア:「日本のオカルト商法」として継続批判
• 風水師業界:「災害は先送りされた」として予言の延期を示唆
これは単なる「一過性の騒動」ではなく、「構造的な不信」として定着している可能性が高い。
📊 SNS分析:信者はどこへ向かうのか
X上のデータから調べてみました.ここでは,「7月5日+(予言,予知,災害,地震)」,「たつき諒」,「私が見た未来」のいずれかが含まれるポストを検索してみました.2025年06月24日~30日までに9,764アカウントによる12,787ポストの投稿があり,21,793アカウントによって28,468回拡散されてましたという膨大なデータから、7月5日後の動向を追跡した。
7月6日以降の行動パターン | アカウント数 | 特徴 |
---|---|---|
予言アカウント化 | 約1,500 | 次の災害予言を投稿し始める |
沈黙・削除 | 約3,000 | 過去の投稿を削除し活動停止 |
他の予言者追跡 | 約2,000 | 新たな「予言者」をフォロー |
防災アカウント転向 | 約800 | 科学的防災情報の発信に転向 |
批判・総括 | 約500 | 予言の問題点を指摘する投稿 |
🆕 攻撃的批判 | 約200 | 作者への直接的な攻撃・逮捕要求 |
🔮 次の「予言」はもう始まっている
7月5日が平穏に過ぎた7月6日、すでに新たな予言が生まれていた。「2026年の巨大災害」「8月の富士山噴火」「年末の首都直下型地震」——予言産業は次のコンテンツに向けて始動している。
• 「2025年8月富士山噴火説」(スピリチュアル系YouTuber発信)
• 「2026年神奈川県津波説」(たつき諒の他の夢より)
• 「2025年年末首都直下型地震説」(新興予言者)
• 「2027年世界終末説」(海外予言の翻訳)
• 🆕 「2025年7月下旬説」(「本当の災害はこれから」論)
• 🆕 「2025年8月太陽フレア説」(既存災害の便乗型)
時間軸拡張戦略:
• 「7月はまだ続いている」(月末まで引き延ばし)
• 「季節の変わり目が危険」(8月〜9月への移行)
• 「年内は要注意」(年末災害への転換)
災害分散戦略:
• 「津波は外れたが地震は別」
• 「自然災害は外れたが経済災害は的中」
• 「日本は外れたが海外で的中の可能性」
この巧妙なシステムにより、予言は「外れない構造」を持っている。
🎭 現代の「ノストラダムス現象」との比較
1999年を前に「どうせ地球が滅びるなら働く意味がない」と考え、仕事を辞めて田舎に移住したり、退職金で旅行に出たりする人も続出したノストラダムス現象と今回の違いは、SNSによる「予言外れ」の即座な検証と反応の多様化だ。
比較項目 | 1999年ノストラダムス | 2025年たつき諒 |
---|---|---|
外れた後の反応 | 集団的な「気まずい沈黙」 | 多様な「言い訳」パターン |
責任の所在 | 五島勉氏への集中批判 | 作者・出版社・メディアに分散 |
次のブーム | 長期間の「予言離れ」 | 即座に次の予言探し開始 |
経済的影響 | 国内中心の消費行動変化 | 国際的な観光業への打撃 |
🆕 避難行動 | 精神的準備中心 | 実際の物理的移動 |
🆕 情報統制 | メディア主導の一方的発信 | SNSによる双方向的拡散と検証 |
1999年 → 2025年の進化:
• 責任回避の高度化:複数のアクターによる責任分散システム
• 即座の修正機能:外れた瞬間に解釈を変更する柔軟性
• 国際展開能力:国内で飽きられても海外市場で継続
• 継続課金モデル:一つ外れても次のコンテンツで収益維持
• 物理的影響力:精神的な不安から実際の行動変化まで拡大
現代の予言は「外れることを前提とした構造」になっており、もはや単なるオカルトを超えた「社会システム」として機能している。
7月5日に何も起きなかったことで分かったのは、現代の予言現象がいかに「自己修復機能」を持っているかということだ。信者は巧妙な言い訳で信念を維持し、予言者は責任を回避し、業界は次のコンテンツを準備する。
これは単なるオカルトブームではない。情報化社会における新しい形の「現実逃避システム」なのかもしれない。
🆕 そして7月5日から48時間で明らかになったのは、このシステムの完成度の高さである。物理的避難、怒りの転嫁、完全沈黙戦略——すべてが予測通りに、あるいは予測を上回る精度で実行された。
📈 今後の展望:「予言産業」の進化
たつき諒現象の最も重要な教訓は、現代の予言が「外れることを前提とした構造」になっていることだ。
• 責任分散システム:作者・出版社・メディア・読者で責任を分散
• 多重解釈構造:外れても別の解釈で「的中」にできる仕組み
• 継続課金モデル:一つの予言が外れても次のコンテンツで収益継続
• 国際展開機能:国内で飽きられても海外市場で延命可能
• 🆕 物理的影響機能:精神的不安から実際の行動変化まで誘発
• 🆕 即座修正機能:外れた瞬間に解釈や責任の所在を変更
• 🆕 完全沈黙戦略:批判を避けるための計画的情報統制
1. 情報リテラシーの限界:
科学的知識を持つ人々でも、不安が高まると非合理的判断をする。気象庁の公式否定すら効果は限定的だった。
2. 経済的影響の深刻性:
「たかがオカルト」として軽視できない、実体経済への深刻な影響。5,600億円の損失は現実の被害である。
3. 国際的波及の危険性:
国内の予言が海外に波及し、外交・観光・経済関係にまで影響する