ステータスカードの代表格であるアメリカン・エキスプレス(アメックス)のゴールドカード。そのゴールドの輝きと「メンバーシップ」という特別感から、多くの方が憧れるクレジットカードの一つでしょう。しかし、申し込みを検討する際に多くの人が気になるのが「年収はいくら必要なの?」という点です。
アメックスゴールドカードを持ちたいけれど、自分の年収で審査に通るのか不安…。または、申込書の年収欄に正直に書くべきか迷っている方もいるかもしれません。今回は、アメックスゴールドカードの申込みにおける年収の実態と、審査のポイントについて詳しく解説していきます。
アメックスゴールドカードの基本情報
まずはアメックスゴールドカードの基本情報を確認しておきましょう。アメックスゴールドカードは、年会費が34,100円(税込)と一般的なクレジットカードに比べて高額です。これだけの年会費を支払うだけの価値があるのか?という点も含めて、カードの特徴を理解することが大切です。
アメックスゴールドカードの主な特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
これらの特典を考えると、頻繁に旅行や出張をする方や、飲食店での会食が多いビジネスパーソンにとって、年会費以上の価値を感じることができるカードと言えるでしょう。
アメックスゴールドカード申込み時の年収要件は公式にはない
結論から言うと、アメリカン・エキスプレスは公式にゴールドカードの最低年収基準を明示していません。アメックスの公式サイトを見ても、「最低○○万円以上の年収が必要」といった記載はどこにも見当たりません。
アメックスが審査において年収だけでなく、様々な要素を総合的に判断しているからです。「年収だけが審査基準ではない」という姿勢なのです。
ただし、年会費や提供されるサービスの内容を考えると、一定以上の収入がある方を対象としていることは明らかです。これは、カードの維持費用を支払える経済力と、提供される特典を活用できるライフスタイルを持っているかどうかを見極める意味もあります。
実際のところ、どのくらいの年収が必要なのか?
公式な基準はないものの、実際にアメックスゴールドカードを持っている方々の情報や、クレジットカード関連の情報サイトなどを総合すると、おおよその目安は見えてきます。
一般的に言われているのは、「年収400万円〜500万円以上あれば審査に通る可能性が高い」というものです。
もちろん、これはあくまで目安であり、実際には400万円未満でも発行されているケースもありますし、500万円以上でも審査に落ちるケースもあります。
特に、以下のような条件が揃っていれば、年収が多少低くても審査に通る可能性は高くなります。
逆に、年収が高くても、過去に支払い遅延があったり、多額の借入がある場合は、審査に通りにくくなる可能性があります。
年収欄の記入について正直に書くべき?
申込フォームの年収欄について、「実際より多く書いたほうが通りやすいのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、これは絶対にやめましょう。
クレジットカードの申込時に虚偽の情報を記載することは、詐欺行為に当たる可能性があります。
また、アメックスは審査の過程で、必要に応じて収入証明書の提出を求めることがあります。虚偽の申告をしていた場合、発覚すれば審査に落ちるだけでなく、今後のカード申込みにも悪影響を及ぼす可能性があります。
正直に申告することが、長期的な信頼関係を築く上でも重要です。収入が基準に満たないと感じる場合は、まずは他のカードでクレジットヒストリーを積み重ねるなど、地道な方法で信用を築いていくことをおすすめします。
アメックスゴールドカードの審査基準と審査のポイント
アメックスゴールドカードの審査において、年収以外にどのような点が重視されているのでしょうか?主な審査ポイントとして以下が挙げられます。
年収はもちろん重要ですが、それ以上に「返済能力」が重視されます。つまり、収入に対して現在の借入額や生活費などを差し引いた後、どれだけの余裕があるかということです。年収が高くても、住宅ローンや車のローン、教育ローンなど多額の借入がある場合は、実質的な返済能力は低くなります。
過去のクレジットカードやローンの支払い履歴も重要な判断材料です。延滞や未払いなどの金融トラブルがあると、審査に通りにくくなります。特にアメックスは、「メンバーシップ」を重視するカード会社なので、信頼できる会員であるかどうかを重視する傾向があります。
安定した職業に就いているか、勤続年数はどのくらいかも審査のポイントです。正社員として長く働いている方は、収入の安定性という点で有利に働きます。フリーランスや自営業の場合は、事業の継続性や安定性を示す必要があるでしょう。
複数のカード会社やローン会社から多額の借入をしている場合、新たなクレジットカードを発行することでさらに借入が増える可能性があるため、審査が厳しくなる傾向があります。
年齢や家族構成、居住形態(持ち家か賃貸か)なども審査の要素となります。例えば、持ち家で家族がいる方は、生活が安定していると見なされやすく、有利に働くことがあります。
アメックスゴールドカードの審査に通りやすくするためのポイント
アメックスゴールドカードの審査に通りやすくするためには、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
いきなりゴールドカードを申し込むよりも、まずはアメックスの一般カード(グリーンカード)を作り、利用実績を積むという方法があります。アメックス内部での信頼関係を築くことで、ゴールドカードへのインビテーション(招待)が届くこともあります。
他社のクレジットカードを持っている場合は、計画的に利用し、支払いを遅延させないようにしましょう。クレジットカードの利用履歴は信用情報機関に記録され、新たなカードの審査時に参照されます。
複数の借入がある場合は、可能な限り整理して借入総額を減らしておくことが望ましいです。特に、カードローンやキャッシングの利用は控えめにしておきましょう。
正社員として勤務していること、または安定した事業収入があることをアピールできると良いでしょう。フリーランスや自営業の場合は、過去数年間の所得を証明できる資料を用意しておくとよいかもしれません。
申込書の記入漏れや誤りがあると、審査に悪影響を及ぼす可能性があります。すべての項目を丁寧に、正確に記入しましょう。
アメックスゴールドカードを持つメリットとデメリット
アメックスのメンバーシップ・リワードは、貯まったポイントを様々な提携先のポイントやマイルに交換できる柔軟性が魅力です。特に航空会社のマイルへの交換レートが良いため、頻繁に旅行する方には大きなメリットとなります。
プライオリティ・パスという空港ラウンジサービスが無料で付帯しており、世界中の空港ラウンジを利用できます。出張や旅行が多い方にとっては、空港での待ち時間を快適に過ごせる大きなメリットです。
海外旅行保険や国内旅行保険、ショッピング保険など、充実した保険サービスが自動付帯します。別途保険に加入する必要がなく、安心してカードを利用できます。
24時間365日利用できるコンシェルジュサービスでは、レストランの予約やチケットの手配など、様々な相談に対応してくれます。特に海外でのサポートは心強いです。
やはり、ゴールドカードを持っているというステータス性も魅力の一つです。特にビジネスシーンでは、信頼感や安心感を与える効果もあるでしょう。
年会費34,100円(税込)は決して安くありません。カードの特典を十分に活用できない場合は、コストパフォーマンスが悪くなってしまいます。
アメックスは国際ブランドの中ではVISAやMastercardと比べて、利用できる店舗が若干少ない傾向があります。特に小規模な店舗や地方では使えないケースもあるため、別のカードも持っておく必要があるかもしれません。
キャッシングサービスを利用する場合、他社のカードと比べて金利が高めに設定されていることがあります。頻繁にキャッシングを利用する方は注意が必要です。
年収別:アメックスゴールドカードを持つべきか判断するポイント
正直に言って、年収300万円未満の場合は、アメックスゴールドカードの年会費と特典のバランスを考えると、あまりおすすめできません。年会費が手取り収入に対して大きな負担となり、特典も十分に活用できない可能性が高いです。
まずは、年会費が無料または低額のクレジットカードで実績を積み、収入が増えてからゴールドカードを検討するのが賢明でしょう。
この年収帯は、審査に通るかどうかのボーダーラインと言えるでしょう。審査に通る可能性はありますが、年会費に見合うだけの特典を活用できるかどうかが重要なポイントとなります。
特に以下のような方は、年会費以上の価値を得られる可能性が高いです。
一方で、カードをあまり使わない方や、特典を活用する機会が少ない方は、もう少し年収が増えてから検討するほうが良いかもしれません。
この年収帯であれば、審査に通る可能性は高くなります。また、年会費の負担も相対的に軽くなるため、特典を適度に活用できれば、十分にコストパフォーマンスが見込めるでしょう。
ビジネスでの利用や旅行特典の活用を考えると、この年収帯からアメックスゴールドカードの真価が発揮されると言えます。
年収800万円以上であれば、審査面での心配はほとんどないと言えるでしょう。また、高額な買い物や旅行の機会も多くなると思われるため、ポイント還元や各種特典の恩恵を十分に受けられるはずです。
さらに上のグレードであるプラチナカードやブラックカードへのステップアップも視野に入れられる年収帯です。
アメックスゴールドカードの代わりになるカードは?
アメックスゴールドカードの審査が心配な方や、年会費が負担に感じる方は、以下のようなカードも選択肢として考えられます。
アメックスのエントリーモデルとも言えるグリーンカードは、年会費13,200円(税込)とゴールドカードの半分以下です。基本的なポイントプログラムや保険サービスは同じように利用でき、ゴールドカードへのステップアップの足がかりとなります。
年会費11,000円(税込)で、空港ラウンジサービスやトラベル保険が付帯しています。楽天市場でのショッピングがメインの方には、ポイント還元率の高さもメリットです。
年会費5,500円(税込)と比較的リーズナブルながら、基本的なゴールドカードのサービスを受けられます。VISA、Mastercard、JCBから国際ブランドを選べるため、利用できる店舗の範囲が広いのも魅力です。
年会費11,000円(税込)で、ドコモユーザーであれば携帯料金の支払いでポイントが貯まりやすく、コストパフォーマンスが高いカードです。旅行保険や空港ラウンジサービスも付帯しています。
アメックスゴールドカードに関するよくある質問
A1: 通常、申込みから1週間〜2週間程度で審査結果が出ることが多いようです。ただし、繁忙期や追加書類の提出が必要な場合は、さらに時間がかかることもあります。
A2: アメックスゴールドカードには、実は「限度額」という概念がありません。これは「ショッピング枠」と呼ばれる利用可能額が設定されていますが、固定されたものではなく、利用状況や支払い履歴によって柔軟に変動します。これを「ノーリミット」と表現することもありますが、実際には利用者の支払い能力に応じた適切な範囲で利用できるようになっています。
A3: 学生でも申し込むことは可能ですが、安定した収入がなければ審査に通ることは難しいでしょう。社会人になってから申し込むことをおすすめします。
A4: 家族カードは年会費6,600円(税込)で発行できます。本会員と同じポイントプログラムや保険サービスを利用できるため、家族でよく旅行に行く方にはおすすめです。
A5: カードを解約すると、貯まっていたポイントは失効してしまいます。解約前に、ポイントを商品や提携先のポイント・マイルに交換しておくことをおすすめします。