2022年、美容医療業界を揺るがす出来事が起きました。AV女優の宝生リリーさんが美容外科医「ドラゴン細井」こと細井龍医師が院長を務めるアマソラクリニックでの脱毛施術によって深刻な火傷を負ったことを告発したのです。この事件はSNSやメディアで大きな注目を集め、美容医療の安全性や医療機関の責任について多くの議論を巻き起こしました。
事件の経緯
宝生リリーさんはアマソラクリニックでレーザー脱毛の施術を受けました。しかし施術後わずか2日で、腹部と背中に多数の火傷が発生。特に腹部は「百裂キスマーク状態」とも表現されるほど無数の赤い火傷痕が広がりました。
施術ミスの原因は「機械の故障」とクリニック側から説明があったとされています。レーザー照射時に同時に冷却ガスを噴射して肌を保護する仕組みが正常に機能せず、皮膚に過度の熱ダメージを与えてしまったようです。
宝生リリーさんは火傷による色素沈着のため、本業であるAV撮影の仕事をキャンセルせざるを得なくなり、収入面でも大きな影響を受けました。
SNSでの告発
約7ヶ月後の2022年8月8日、宝生リリーさんはTwitter(現X)で自身の腹部の写真とともに「脱毛の後の火傷。アマソラクリニックは一切保証してくれないと弁護士から連絡が来ました。ドラゴン細井許せない」と投稿。この投稿は瞬く間に拡散され、医療関係者や一般ユーザーを巻き込んだ大きな議論となりました。
医療界からの反応
事件が明るみになると、同業の医師たちからも様々な意見が寄せられました。特に注目されたのが、ドラゴン細井医師が以前勤務していた東京美容外科の統括院長・麻生泰医師のコメントです。麻生医師は8月9日に「僕もこうなった」と自身の両足の火傷写真を投稿。問題の脱毛機器の危険性を指摘しました。
さらに8月18日の取材で麻生医師は「東京美容外科で同じ事例が起きたと仮定して、私なら謝ります。そして、脱毛に関しては全額返金し、火傷の治療、ケアを行います」と発言。ドラゴン細井医師に対して「謝るべき」「真摯な対応をしてほしい」と述べました。
高須クリニックの高須克弥院長も事態を重視し、SNS上でコメントを残しています。
アマソラクリニックと宝生リリーさんの対立
宝生リリーさんによれば、アマソラクリニック側は弁護士を通じて「一切の保証をしない」という姿勢を示したとのこと。これに対し宝生リリーさんも代理人弁護士を立てて交渉しましたが、クリニック側の態度は変わらなかったようです。
この対応に宝生リリーさんは強い憤りを表明。自身の代理人弁護士にも不信感を抱き、解任したことを明かしています。
事件後の影響
この事件は美容医療業界に大きな波紋を投げかけました。特にSNSの影響力が強い現代において、医療事故が起きた際の対応の重要性を改めて示す出来事となりました。
宝生リリーさんはその後もSNSでアマソラクリニックへの不満を表明していましたが、一時期アカウントがロックされるなど発信が制限される状況もあったようです。2022年11月時点でも火傷は完全には完治しておらず、仕事への影響が続いていました。
ドラゴン細井医師について
「ドラゴン細井」こと細井龍医師は、美容外科医としてだけでなく、YouTuberとしても活動。また「令和の虎」などのビジネスリアリティ番組での活躍でも知られていました。
アマソラクリニックは「確かな技術で適正な美容医療」を掲げ、渋谷に拠点を置く美容クリニック。ボディラインの形成から美容皮膚科治療まで、幅広い施術を行っていました。
細井医師は千葉大学医学部出身で医師免許を取得。YouTube上ではチャンネル「ドラゴン細井featアマソラクリニックch」を運営し、美容医療の情報発信を行っていました。
この事件から学ぶこと
この事件は美容医療において最新の機器を使用する際のリスク管理と、医療事故が起きた際の適切な対応の重要性を浮き彫りにしました。医療行為には常にリスクが伴うものですが、そのリスクを最小限にする取り組みと、万が一の際の誠実な対応が医療機関には求められています。
また消費者側としても、美容医療を受ける際には事前に十分な情報収集と医師との丁寧なコミュニケーションが大切であることを改めて認識させられる出来事でした。
美容医療は年々身近なものになっていますが、「医療」である以上、その安全性と倫理性については常に高い水準が求められます。この事件を機に、業界全体が患者の安全を第一に考えるきっかけとなることが望まれます。
医療事故や美容トラブルに関する情報は日々更新されています。最新の情報や具体的なアドバイスが必要な場合は、専門家や医療機関にご相談ください。この記事はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスを提供するものではありません。
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