アメックスカード

アメックスは不正利用が多いのか?補償内容と通知の仕組み

昨今、キャッシュレス決済の普及とともにクレジットカードの不正利用被害が増加しています。2024年の日本における不正利用被害額は過去最悪の555億円を記録し、その約9割がカード番号の盗用によるものです。こうした状況下で、カード会員が最も懸念するのが「自分のカードが不正利用されたらどうなるのか」という不安ではないでしょうか。

アメリカン・エキスプレス(以下、アメックス)は、こうした不安に応えるべく、多層的なセキュリティ対策と充実した補償制度を提供しています。今回は、アメックスの不正利用対策や補償内容について詳しく解説します。

クレジットカード不正利用の現状

クレジットカードの不正利用被害は年々増加傾向にあります。一般社団法人日本クレジット協会の調査によると、不正利用被害額は2021年の約330億円から2023年には約540億円、そして2024年には555億円と過去最高額を記録しました。特に増加しているのがネットショッピングなどでのカード番号盗用被害で、全体の約92.5%を占めています。

こうした背景には、オンラインショッピングの普及に伴い、フィッシング詐欺やスキミングといった手法によるカード情報の不正取得が増加していることが挙げられます。また、不正利用の手口も日々巧妙化しており、一般ユーザーが自力で対策を講じるのは難しくなっています。

アメックスの不正利用検知システム

アメックスでは、カード会員を不正利用から守るために高度な不正利用検知システムを導入しています。このシステムは、24時間365日体制でカードの利用状況を監視し、不審な取引を検知した場合には即座に会員に通知する仕組みになっています。

主な検知パターン
地理的不整合: 例えば、東京で利用されたカードが1時間後にニューヨークで使用されるなど、物理的に移動不可能な場所での連続使用
いつもと異なる利用パターン: 通常の利用履歴から大きく外れた金額や店舗での利用
繰り返し少額決済: 不正利用者がカードの有効性を確認するための少額テスト決済が連続して行われる場合
高リスク加盟店での利用: 過去に不正利用が多発している加盟店での取引

不審な取引を検知した場合、アメックスは登録された連絡先(電話番号やメールアドレス)に通知を送ります。この通知を受けた会員は、該当する取引が本人によるものかどうかを確認し、不正利用であれば即座に対応することができます。

実際の事例として、「ECサイトでの70,000円のお取引」という利用確認のショートメッセージを受け取った会員が、不審な取引と気付いて「No」と回答し、さらにアメックスの担当課に電話をしてカードの停止と再発行を手配したことで、被害を未然に防いだケースがあります。

多層的なセキュリティ対策

アメックスでは、不正利用検知システム以外にも、複数のセキュリティ対策を講じています。

1
ICチップ搭載カード

新規に発行されるアメックスのカードには、すべてICチップが搭載されています。ICチップ搭載カードは情報が暗号化されているため、従来の磁気ストライプカードと比較して不正利用のリスクが大幅に低減されます。また、ICカード暗証番号の入力が必要となることで、紛失・盗難時の不正利用防止にも役立ちます。

実際に、カード入れがなくなり、ハイブランドショップでカードが提示された事例では、端末機で「ICカード暗証番号」の入力を求められたため販売成立せず、不正使用を防止できたケースがあります。

2
American Express SafeKey®

「American Express SafeKey®」は、オンラインショッピングの際に認証コードによる本人認証を行い、第三者による不正なカード利用を防止するサービスです。対象加盟店でのオンラインショッピング時に、登録したデバイスに送信される認証コードの入力が必要となります。

万が一カード情報が盗まれても、本人の登録デバイスにのみ送信される認証コードがなければ決済できないため、不正利用のリスクを大幅に低減できます。

3
アプリでの取引通知設定

アメックスの公式アプリでは、カード利用時にプッシュ通知を受け取ることができます。これにより、不正利用をいち早く発見できるほか、2024年3月からは「確定前」の利用情報も表示されるようになり、より早い段階で不審な取引に気づけるようになりました。

また、アプリには「カード一時停止機能」も搭載されており、不正利用の可能性がある場合や、一時的にカードを紛失した場合にも、すぐにカードを停止することができます。

充実した不正利用補償制度

補償の範囲と条件

アメックスでは、第三者によるカードの不正利用が確認された場合、届け出を受け取った日の60日前からの損害を補償しています。つまり、アメックスに不正利用の連絡をした日を1日目とし、そこから60日前までの期間に生じた不正利用が補償対象となります。

ただし、以下のような場合は補償の対象外となる可能性があります:

会員の故意または重大な過失による場合
家族、同居人など会員の関係者による不正利用
紛失・盗難の届出が遅れた場合
会員規約に違反している場合

なお、紛失・盗難によるカードの不正利用の場合は、最寄りの警察署への届出も必要となります。

4桁の暗証番号突破時の対応

クレジットカード業界では一般的に、4桁の暗証番号やオンラインショッピングでの本人認証サービス(3Dセキュア)が突破された場合は、不正利用の補償対象外とする会社も多いですが、アメックスの場合は、会員に故意または過失がないとアメックスが認めた場合は補償対象となります。

この点は、他社と比較してアメックスの補償制度が充実している部分と言えるでしょう。

不正利用発覚時の対応手順

不正利用の可能性に気づいたら、以下の手順で対応しましょう:

1
すぐにアメックスに連絡

不審な取引に気づいたら、すぐにアメックスに連絡しましょう。連絡先はカード裏面の電話番号です。不正利用対策のアカウントセキュリティ課(03-6625-9147)からの連絡の場合は安心して対応してください。

2
カードの利用停止・再発行

不正利用が疑われる場合は、カードの利用停止と再発行の手続きを行います。アメックスの公式アプリからも手続き可能です。

3
警察への届出

カードの紛失・盗難による被害の場合は、最寄りの警察署に被害届を提出しましょう。

4
調査への協力

アメックスまたは提携保険会社から連絡があった場合は、調査に協力しましょう。必要な情報の提供や書類の提出が求められる場合があります。

自分でできる不正利用対策

カード会社のセキュリティ対策に加えて、会員自身でもできる対策があります:

利用明細の定期確認
カードの利用明細は定期的に確認しましょう。アメックスのアプリでは利用通知を設定できるので、活用することで不正利用をいち早く発見できます。
個人情報の管理
カード番号、有効期限、セキュリティコードなどの情報は第三者と共有しないようにしましょう。また、不審なメールやSMSに含まれるURLは、クリックしないようにします。
セキュリティソフトの導入
デジタル端末にはセキュリティソフトを導入し、定期的にアップデートを行いましょう。セキュリティソフトを導入することで、不審なメールの除外や不審なサイトへのアクセス防止が可能になります。
最新の連絡先情報の登録
不正利用検知システムからの通知を確実に受け取るために、最新の電話番号やメールアドレスをアメックスに登録しておきましょう。

まとめ

クレジットカードの不正利用被害は年々増加していますが、アメックスでは高度な不正利用検知システムや多層的なセキュリティ対策、充実した補償制度によって、会員の安全を守っています。

不正利用の被害に遭わないためには、会員自身による利用明細のチェックや個人情報の管理、セキュリティソフトの導入なども重要です。また、万が一不正利用の被害に遭った場合は、速やかにアメックスに連絡し、必要な手続きを行うことで、被害を最小限に抑えることができます。

アメックスは「疑わしきはチャージ(請求)しない」というポリシーを持ち、会員の安全を第一に考えたサービスを提供しています。このような手厚いセキュリティ対策と補償制度があるからこそ、会員は安心してカードを利用することができるのです。

日々の利用の中で、セキュリティ意識を持ちながらも、アメックスカードの利便性を最大限に活用していきましょう。

※本記事の情報は2025年5月時点のものです。最新の情報については、アメリカン・エキスプレスの公式サイトまたはカスタマーサービスでご確認ください。

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