神奈川県警が2700件の交通違反を取り消し – 虚偽書類作成で反則金3500万円返還、組織ぐるみの不正が発覚

交通取り締まりを行う警察官

ドライブレコーダーが暴いた組織的不正

事件の発覚は、一人のドライバーの勇気ある行動から始まった。2024年、車間距離不保持で交通違反切符を交付された人物が、神奈川県警に相談を持ちかけた。「自分のドライブレコーダーを見ると、車間距離は十分に保たれていた」。この訴えを受けて県警が調査を開始したところ、驚愕の事実が次々と明らかになった。2022年以降、適切な交通取り締まりとして認められないものが多数浮上したのである。

神奈川県警第2交通機動隊の巡査部長らは、小田原厚木道路などを中心に交通違反の取り締まりを担当していた。しかし、彼らが行っていたのは「取り締まり」ではなく、「でっち上げ」だった。速度超過や車間距離不保持などの違反が明確に認められないにもかかわらず、違反切符を交付していたのである。さらに悪質なことに、現場の状況とは異なる内容を交通違反切符に記載していた。

具体的な手口はこうだ。パトカーで速度超過などの対象車両を追尾する取り締まりでは、正確な計測を行うため、車間距離を保ちながら一定の距離を追尾する必要がある。しかし巡査部長らは、対象の車両を追尾した距離を実際よりも長く記載するなど、事実と異なる状況を交通反則切符に記載していた。さらに驚くべきことに、取り締まりの対象者から反則金が納められなかったため刑事処分に向けて実況見分調書を作成した際には、現場に行かずに虚偽の調書を作成していたのである。

小隊ぐるみの組織的犯罪

この不正は、一人の警察官による単独犯行ではない。報道によれば、神奈川県警第2交通機動隊第2中隊の第4小隊内で、巡査部長を中心に不適切な取り締まりが繰り返されていたという。しかも、上司の警部補も関与していた疑いがある。これは明らかに組織的な犯罪である。

なぜこのような不正が可能だったのか。それは、警察組織内のチェック体制が機能していなかったからである。巡査部長が虚偽の書類を作成しても、上司はそれを見抜けなかった。いや、見抜けなかったのではなく、見て見ぬふりをしていた可能性すらある。上司の警部補も関与していたとすれば、これは組織ぐるみの隠蔽工作と言わざるを得ない。

被害の規模は甚大である。約2,700件の違反が取り消されるということは、少なくとも2,700人の市民が不当な取り締まりを受けたということだ。しかも、これは「適正な取り締まりと証明できなかった」ものだけである。ドライブレコーダーなどで違反の事実が明確に確認できたものは取り消されていない。つまり、実際の被害者数はさらに多い可能性がある。

人生を狂わされた被害者たち

この不正によって、多くの市民の人生が狂わされた。報道によれば、巡査部長らの取り締まりによって免許の区分が「優良運転者」から「一般運転者」に変更された人がいるという。優良運転者は、無事故・無違反を続けたドライバーに与えられる称号である。それが、警察官の不正によって剥奪されたのだ。

さらに深刻なのは、免許停止や取り消しになった人も含まれるという点である。免許停止や取り消しは、単なる不便では済まない。職業ドライバーにとっては、生計の手段を失うことを意味する。タクシー運転手、トラック運転手、営業職など、運転を必要とする仕事に就いている人々にとって、免許の停止や取り消しは死活問題である。彼らは、警察官の不正によって職を失い、家族を養えなくなった可能性がある。

また、反則金を支払った人々の経済的損失も無視できない。約3,500万円という金額は、一人当たり平均で約1万3,000円になる。しかし、これはあくまで平均であり、速度超過の程度によっては数万円の反則金を支払った人もいるだろう。不当な取り締まりによって支払わされた反則金は、まさに「警察による強盗」と言っても過言ではない。

神奈川県警の「不祥事DNA」

今回の事件は、神奈川県警にとって決して偶発的なものではない。神奈川県警には、長年にわたる不祥事の歴史がある。その象徴が、1999年に発覚した「神奈川県警覚醒剤使用警官隠蔽事件」である。県警警察官による覚醒剤使用事件を警察本部長が握り潰したこの組織犯罪は、最終的に当時の警察本部長ら5人が有罪となった。警察本部長経験者が有罪になったのは国内の警察史上初めてで、「戦後最悪の警察不祥事」と称された。

さらに驚くべきことに、本来は警察職員の不正を告発しなければならない監察官室が、1991年に不祥事を積極的に公表しないよう指示したマニュアルを作成していたことも判明した。そのマニュアルには「一般市民への警察の信頼感と警察職員の士気を低下させるだけ」「マスコミとの摩擦を恐れるだけの安易な考えで公表することがあってはならない」といった内容が記されていた。つまり、神奈川県警には組織的な隠蔽体質が根付いているのである。

2010年には裏金問題が発覚した。2003年から2008年までに、総額11億余円が不正に流用されていたことが判明し、処分対象者は全部で531人に上った。2012年には、中原警察署の巡査が架空の自転車盗事件をでっち上げ、友人を被疑者に仕立てて検挙したとの調書を作成して逮捕された。同じく2012年には、パソコン遠隔操作事件で少年を誤認逮捕し、自白を強要した可能性が指摘された。

2020年には、泥酔者と判断して自宅に送り届けた男性が実際は頭部打撲による急性硬膜下血腫で死亡し、警察官6人が保護責任者遺棄致死で書類送検された。2021年には、大和警察署の警部補が葬祭会社から現金127万円と68万5千円相当のプリペイドカード137枚を受領した受託収賄事件が発覚した。この警部補は初公判で「県内の54署すべてで、葬祭会社からビール券をもらっていると思う」と証言し、汚職が組織全体に蔓延していることを示唆した。

2025年には、川崎市の20歳女性が行方不明となり、元交際相手によるストーカー被害の訴えがあったにもかかわらず、神奈川県警は事件性を軽視し、遺体発見まで有効な捜査を行わなかった。県警は「危険性・切迫性を過小評価した」と検証結果を公表したが、これは2011年の逗子ストーカー殺人事件と同様の失態である。神奈川県警は、同じ過ちを繰り返しているのだ。

2024年上半期には、半年のみで前年通期を超える警察官の逮捕者数を記録した。監察官室長が「短期間に複数の逮捕者が出たのは甚だ遺憾だ」とコメントしたが、これは氷山の一角に過ぎない。神奈川県警には、不祥事を起こす「DNA」が組織に深く刻み込まれているのである。

なぜ不正は繰り返されるのか

なぜ神奈川県警では不祥事が繰り返されるのか。その根本原因は、組織文化にある。神奈川県警には、「隠蔽こそが正義」という倒錯した価値観が存在する。1991年に監察官室が作成したマニュアルは、その象徴である。不祥事を公表することが「警察の信頼感と警察職員の士気を低下させる」という理屈は、完全に本末転倒している。

真実を隠蔽することこそが、警察の信頼を失墜させる最大の要因である。しかし神奈川県警は、この単純な事実を理解していない。いや、理解しようとしていない。なぜなら、隠蔽体質を維持することが、組織の利益になると考えているからである。不祥事を公表すれば、責任者が処分される。メディアから批判される。予算が削減されるかもしれない。だから隠蔽する。この悪循環が、神奈川県警の不祥事を生み続けているのである。

また、神奈川県警には「ノルマ至上主義」が蔓延している可能性がある。2010年に発覚した厚木警察署の超過勤務強要事件では、夜勤の当直中に事件受理件数が10件を超えた場合は当直者全員に残業を強制していたことが明らかになった。これは、事件受理件数を抑制するための圧力である。同様に、交通取り締まりにもノルマが存在する可能性がある。

元白バイ隊員の証言によれば、交通取り締まりには事実上のノルマが存在するという。「月に何件取り締まれ」という明確な指示はなくても、「他の隊員と比べて取り締まり件数が少ないと評価が下がる」という暗黙の圧力がある。今回の事件で中心的役割を果たした巡査部長も、このようなノルマ圧力に晒されていた可能性がある。そして、ノルマを達成するために、違反が明確でない車両にも違反切符を交付し、虚偽の書類を作成していたのではないだろうか。

市民団体「警察見張番」の警告

1999年以降の神奈川県警の不祥事続発に対し、神奈川県内の弁護士らが中心となって、2000年7月21日に市民団体「警察見張番」が設立された。この団体は、警察の不正・不当な行為を監視しこれを是正することを目的としている。しかし、「警察見張番」が設立されてから26年が経過した今も、神奈川県警の不祥事は止まらない。

「警察見張番」の存在は、神奈川県警がいかに問題のある組織であるかを象徴している。通常、警察の不正を監視する市民団体が必要になるほど、警察組織が腐敗している地域は稀である。しかし神奈川県では、弁護士らが自発的に監視団体を立ち上げなければならないほど、県警の不祥事が深刻だったのである。

「警察見張番」は、これまで数々の神奈川県警の不正を告発してきた。しかし、組織の根本的な改革には至っていない。なぜなら、神奈川県警には自浄作用が欠如しているからである。外部からの批判を受けても、組織内部では「マスコミの偏向報道だ」「一部の不心得者の問題だ」と責任を矮小化し、根本的な問題から目を背ける。この姿勢が続く限り、神奈川県警の不祥事は永遠に繰り返されるだろう。

虚偽有印公文書作成という重罪

今回の事件で、神奈川県警は巡査部長ら複数人を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検する方針を固めた。虚偽有印公文書作成罪は、刑法第156条に規定される重罪である。法定刑は1年以上10年以下の懲役であり、執行猶予がつかない可能性もある。

虚偽有印公文書作成罪が重罪とされる理由は、公文書の信頼性を保護するためである。公文書は、国家や地方公共団体の活動を記録し、市民の権利義務に重大な影響を与える。もし公務員が虚偽の公文書を作成すれば、公文書制度全体の信頼性が崩壊する。だからこそ、虚偽有印公文書作成罪には重い刑罰が科されるのである。

今回の事件では、交通違反切符という公文書に虚偽の内容が記載された。さらに、実況見分調書という捜査書類も虚偽で作成された。これらの虚偽公文書によって、約2,700人の市民が不当な処分を受けた。免許停止や取り消しになった人もいる。これは、公文書の信頼性を根底から破壊する行為である。

しかし、ここで疑問が生じる。なぜ巡査部長らは、このような重罪を犯してまで虚偽の書類を作成したのか。単にノルマを達成するためだけだろうか。それとも、何か別の動機があったのだろうか。例えば、上司からの圧力、組織内での評価を上げるため、あるいは何らかの利益を得るためだったのか。これらの疑問に対する答えは、今後の捜査で明らかになるだろう。

反則金返還の裏に隠された問題

神奈川県警は、納付済みの反則金約3,500万円を還付する見通しだと発表した。一見すると、これは被害者への適切な補償のように思える。しかし、金銭的な補償だけで済む問題ではない。

第一に、時間的損失は補償されない。不当な取り締まりを受けた市民は、警察署に出頭し、調書を取られ、反則金を支払うという手続きに時間を費やした。この時間は決して戻ってこない。また、免許停止や取り消しになった人は、その期間中に仕事を失ったり、収入が減少したりした可能性がある。これらの損失は、反則金の返還だけでは補償されない。

第二に、精神的苦痛は補償されない。不当な取り締まりを受けた市民は、「自分は違反していないのに」という無念さを抱えながら、反則金を支払わざるを得なかった。また、優良運転者の資格を失った人は、長年の無事故・無違反の努力が無駄になったという喪失感を味わった。これらの精神的苦痛に対して、神奈川県警は何の謝罪もしていない。

第三に、社会的信用の失墜は補償されない。交通違反の記録は、保険料の算定や就職活動などに影響を与える。不当な違反記録によって保険料が上がった人、就職で不利になった人もいるかもしれない。違反記録が取り消されても、失われた社会的信用は完全には回復しない。

さらに問題なのは、ドライブレコーダーを持っていなかった被害者は救済されない可能性があるという点である。今回の事件では、「適正な取り締まりと証明できなかった」違反が取り消される。しかし、これは裏を返せば、「適正な取り締まりだったと証明できる」違反は取り消されないということだ。ドライブレコーダーがなければ、不当な取り締まりだったことを証明できない。つまり、ドライブレコーダーを持っていなかった被害者は、泣き寝入りを強いられる可能性がある。

組織的隠蔽の可能性

今回の事件で最も懸念されるのは、組織的隠蔽の可能性である。報道によれば、小隊内で巡査部長を中心に不適切な取り締まりが繰り返されていたという。しかし、本当に小隊内だけの問題だったのだろうか。

交通違反の取り締まりには、複数の段階でチェック機構が存在するはずである。現場での取り締まり、違反切符の作成、上司による確認、本部への報告など、各段階で不正を発見する機会があったはずだ。それにもかかわらず、2022年から2024年まで、約2,700件もの不正が見逃されていた。これは明らかに異常である。

考えられる可能性は二つある。一つは、チェック機構が全く機能していなかったという可能性。もう一つは、チェック機構は機能していたが、不正を見て見ぬふりをしていたという可能性である。どちらにしても、組織として重大な欠陥があったことは間違いない。

さらに懸念されるのは、今回発覚した不正が氷山の一角である可能性である。2024年にドライバーから相談があって初めて調査が開始されたということは、それ以前にも同様の不正があった可能性がある。また、第2交通機動隊以外の部署でも同様の不正が行われている可能性もある。神奈川県警は、全署・全部署を対象とした徹底的な調査を行うべきである。

警察への信頼は地に落ちた

今回の事件によって、神奈川県警への信頼は完全に失墜した。いや、神奈川県警だけではない。日本の警察全体への信頼が揺らいでいる。「警察官の言うことは正しい」「警察が作成した書類は信用できる」という前提が崩れ去ったのである。

交通取り締まりを受けたドライバーは、今後「本当に自分は違反していたのか」と疑問を持つだろう。違反切符にサインを求められても、「この警察官は虚偽の内容を書いているのではないか」と疑うだろう。ドライブレコーダーの映像を保存し、弁護士に相談する人も増えるだろう。これは、警察と市民の関係が根本的に変わることを意味する。

警察は、市民の信頼があって初めて機能する組織である。市民が警察を信頼しなくなれば、事件の通報が減り、捜査への協力が得られなくなり、治安が悪化する。今回の事件は、神奈川県警が自らの手で自らの存在基盤を破壊したと言っても過言ではない。

再発防止策は機能するのか

神奈川県警は今後、再発防止策を策定するだろう。しかし、過去の経験から言えば、その再発防止策が機能する可能性は極めて低い。なぜなら、神奈川県警は過去にも何度も「再発防止」を誓いながら、不祥事を繰り返してきたからである。

1999年の覚醒剤使用警官隠蔽事件の後、神奈川県警は組織改革を約束した。しかし、その後も裏金問題、虚偽書類作成、誤認逮捕、受託収賄など、数え切れないほどの不祥事が発生した。2024年には、半年で前年通期を超える警察官の逮捕者数を記録した。これは、再発防止策が全く機能していないことの証明である。

なぜ再発防止策が機能しないのか。それは、表面的な対策しか行われないからである。例えば、「研修を強化する」「チェック体制を厳格化する」といった対策が発表されるだろう。しかし、これらは全て対症療法に過ぎない。根本的な問題、すなわち組織文化の腐敗、隠蔽体質、ノルマ至上主義には手をつけない。だから、不祥事は繰り返される。

真の再発防止策とは何か。それは、組織文化の根本的な変革である。隠蔽体質を排除し、透明性を確保する。ノルマ至上主義を廃止し、適正な業務評価制度を導入する。内部告発者を保護し、不正を告発しやすい環境を整備する。外部監査を導入し、第三者による監視を強化する。これらの抜本的改革なくして、神奈川県警の再生はあり得ない。

市民はどう対応すべきか

今回の事件を受けて、市民はどう対応すべきか。第一に、ドライブレコーダーの装着は必須である。今回の事件では、ドライブレコーダーの映像がなければ不正を証明できなかった。ドライブレコーダーは、不当な取り締まりから身を守る唯一の武器である。

第二に、交通取り締まりを受けた際には、安易にサインをしないことである。違反切符の内容を十分に確認し、納得できない点があれば質問する。必要であれば、弁護士に相談する。「警察官の言うことだから正しい」という思い込みは捨てるべきである。

第三に、不当な取り締まりを受けたと感じたら、泣き寝入りせずに声を上げることである。今回の事件も、一人のドライバーが勇気を持って相談したことから発覚した。もし誰も声を上げなければ、不正は永遠に続いていただろう。市民一人一人が声を上げることが、警察の不正を防ぐ最も効果的な方法である。

第四に、「警察見張番」のような市民団体を支援することである。警察の不正を監視し、是正を求める市民団体の活動は、民主主義社会において極めて重要である。これらの団体を支援し、警察への監視の目を強化することが、不正の抑止につながる。

神奈川県警は解体すべきか

ここまで深刻な不祥事が繰り返される神奈川県警は、もはや組織として機能不全に陥っていると言わざるを得ない。一部の識者からは、「神奈川県警を一度解体し、ゼロから再構築すべきだ」という意見も出ている。この意見は、決して極端なものではない。

組織文化の腐敗が深刻な場合、部分的な改革では効果がない。腐ったリンゴは、一つ一つ取り除いても、樽全体が腐っていれば意味がない。神奈川県警という「樽」そのものが腐っているのであれば、樽ごと交換する必要がある。

具体的には、現在の神奈川県警の幹部を全員更迭し、他県から清廉な警察官を招聘して新体制を構築する。隠蔽体質に染まった職員は、再教育プログラムを受けさせるか、退職を促す。組織の名称も変更し、過去との決別を明確にする。これくらい徹底的な改革を行わなければ、神奈川県警の再生は不可能である。

もちろん、組織の解体と再構築には膨大なコストと時間がかかる。一時的に治安が悪化するリスクもある。しかし、現状のまま不祥事を繰り返し続ける方が、長期的には社会的コストが大きい。今こそ、神奈川県警の抜本的改革を断行すべき時である。

全国の警察への警告

今回の事件は、神奈川県警だけの問題ではない。全国の警察への警告でもある。交通取り締まりにおける不正は、神奈川県警だけで行われているとは考えにくい。ノルマ圧力、評価制度の歪み、チェック機構の形骸化といった問題は、全国の警察組織に共通して存在する可能性がある。

全国の警察本部長は、今回の事件を他山の石として、自らの組織を厳しく点検すべきである。交通取り締まりの記録を精査し、不自然な点がないか確認する。ドライブレコーダーの映像と照合し、虚偽の記載がないか検証する。内部告発を奨励し、不正の早期発見に努める。これらの取り組みを怠れば、第二、第三の神奈川県警が生まれるだろう。

警察庁も、全国の警察を統括する立場として、今回の事件を重く受け止めるべきである。神奈川県警への指導を強化するだけでなく、全国の警察組織に対して交通取り締まりの適正化を指示する。虚偽書類作成を防ぐための制度改革を行う。外部監査の導入を検討する。警察庁がリーダーシップを発揮しなければ、警察全体への信頼は回復しない。

結論:信頼回復への長い道のり

神奈川県警による約2,700件の交通違反取り消しという前代未聞の事件は、日本の警察制度が抱える深刻な問題を浮き彫りにした。組織的な虚偽書類作成、隠蔽体質、チェック機構の機能不全、そして市民への背信行為。これらの問題は、一朝一夕には解決できない。

神奈川県警が信頼を回復するには、長い時間がかかるだろう。いや、現在の体制のままでは、信頼回復は不可能かもしれない。組織文化の根本的な変革、透明性の確保、外部監視の強化、そして何よりも、不正を許さないという強い意志が必要である。

市民も、警察を盲目的に信頼する時代は終わったことを認識すべきである。ドライブレコーダーを装着し、不当な取り締まりには毅然と対応し、声を上げ続ける。市民の監視の目こそが、警察の不正を防ぐ最後の砦である。

今回の事件は、「警察は正義の味方」という神話が崩壊した瞬間である。神奈川県警は、自らの手でその神話を破壊した。そして、失われた信頼を取り戻すには、想像を絶する努力が必要である。果たして神奈川県警は、その努力をする覚悟があるのだろうか。それとも、また同じ過ちを繰り返すのだろうか。答えは、これからの行動で示されるだろう。

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