
2026年2月17日、メンズエステ店「神のエステ」の実質的経営者・渡辺伸也容疑者(35歳、東京都港区南青山在住)ら男女15人が、風俗営業法違反(禁止地域営業)の疑いで神奈川県警と千葉県警の合同捜査本部に逮捕された。都内のマンション26室で性的サービスを提供し、年間10億円以上を売り上げていたとみられる大規模な違法営業の実態が明らかになった。「神のエステ」は、東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木の1都4県にフランチャイズ加盟店を展開する巨大グループで、メンズエステと称しながら実際には性風俗店として営業していた。合同捜査本部は、関係先約42カ所を家宅捜索し、売上金の保管先とみられる新宿区のマンションなども捜索した。
年間10億円以上の売り上げ、都内26室で違法営業
神奈川県警生活保安課によると、渡辺伸也容疑者は都内のマンション26室でサービスを提供する「神のエステ」グループの実質的経営者である。合同捜査本部は、少なくとも都内の26室は禁止場所で営業し、年間10億円以上を売り上げていたとみている。
都内のマンション26室という規模は、個人経営の風俗店とは比較にならない大規模な組織的営業である。1室あたりの年間売上を単純計算すると、約3,846万円となる。これは、1日あたり約10万5,000円の売上に相当し、1日に複数の客を相手にしていたことが推測される。
渡辺容疑者は、都内の禁止地域でこれだけの規模の営業を行いながら、長期間にわたって摘発を逃れていた。その背景には、メンズエステという名目を使った巧妙な偽装営業があったとみられる。
メンズエステと称して性的サービス、巧妙な偽装営業
「神のエステ」は、メンズエステと称しながら、実際には性的サービスを提供していた。メンズエステは、本来は男性向けの美容・リラクゼーションサービスを提供する店舗であり、性的サービスを提供することは違法である。
しかし、近年、メンズエステを装った違法な性風俗店が増加しており、社会問題となっている。これらの店舗は、表向きはマッサージやエステを提供すると謳いながら、実際には性的サービスを提供し、高額な料金を請求する。
「神のエステ」も、このような巧妙な偽装営業を行っていたとみられる。メンズエステという名目を使うことで、風俗店としての摘発を逃れようとしていたのである。
1都4県にフランチャイズ展開、巨大グループの実態
渡辺容疑者は、都内のマンション26室のほか、東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木の1都4県でフランチャイズ加盟店を展開するグループの経営者である。フランチャイズ展開により、「神のエステ」は巨大グループへと成長していた。
フランチャイズ展開とは、本部が加盟店に対して商標やノウハウを提供し、加盟店が本部にロイヤリティを支払う仕組みである。この仕組みを使うことで、渡辺容疑者は自ら店舗を経営することなく、加盟店からのロイヤリティ収入を得ることができた。
1都4県にフランチャイズ加盟店を展開していたということは、「神のエステ」グループの規模がいかに大きかったかを物語っている。都内の26室だけで年間10億円以上の売り上げがあったことを考えると、フランチャイズ加盟店を含めた全体の売上は、さらに巨額になると推測される。
禁止地域での営業、東京都条例違反の疑い
渡辺容疑者らは、2025年12月12日、東京都条例で店舗型性風俗の営業が禁じられた新宿区内のマンションの一室で、性的サービスを提供するメンズエステ店を営んだ疑いがある。
東京都では、条例により、住宅地や学校、病院の近くなど、特定の地域での店舗型性風俗の営業が禁止されている。これは、風俗店が周辺環境に悪影響を与えることを防ぐためである。
渡辺容疑者らは、この禁止地域で営業を行っていたとみられる。新宿区は、東京都心部に位置し、オフィス街や繁華街が広がる地域である。このような地域での違法営業は、周辺環境に大きな悪影響を与える可能性がある。
2025年2月の加盟店摘発から容疑浮上、合同捜査本部設置
今回の逮捕のきっかけは、2025年2月に神奈川県警が摘発した加盟店への捜査だった。この捜査から、渡辺容疑者が経営する「神のエステ」グループの違法営業の実態が浮上した。
神奈川県警は、この捜査結果を受けて、千葉県警と合同捜査本部を設置し、「神のエステ」グループの全容解明に乗り出した。合同捜査本部は、約1年間にわたって捜査を続け、2026年2月17日に渡辺容疑者ら15人を逮捕した。
合同捜査本部の設置は、事件の規模が大きく、複数の都県にまたがっていることを示している。神奈川県警と千葉県警が協力して捜査を進めたことで、「神のエステ」グループの全容が明らかになったのである。
関係先42カ所を家宅捜索、売上金の保管先も捜索
合同捜査本部は、2026年2月17日、各部屋から回収した売上金の保管先とみられる新宿区のマンションなど、関係先約42カ所を家宅捜索した。
42カ所という捜索箇所の多さは、「神のエステ」グループの規模の大きさを物語っている。捜索対象には、都内のマンション26室のほか、フランチャイズ加盟店、売上金の保管先、関係者の自宅などが含まれていたとみられる。
特に注目されるのは、売上金の保管先とみられる新宿区のマンションが捜索対象となったことである。合同捜査本部は、「神のエステ」グループの金の流れを解明するため、売上金の保管先を特定し、捜索を行ったのである。
渡辺伸也容疑者(35歳)、港区南青山在住の実質的経営者
逮捕された渡辺伸也容疑者は、35歳で、東京都港区南青山に在住していた。港区南青山は、東京都心部に位置する高級住宅街として知られる地域である。
渡辺容疑者は、「神のエステ」グループの実質的経営者として、都内のマンション26室での営業を統括し、1都4県にフランチャイズ加盟店を展開していた。年間10億円以上の売り上げを得ていたとみられ、その収益の一部を港区南青山の高級住宅街での生活に充てていた可能性がある。
渡辺容疑者の認否は明らかにされていないが、合同捜査本部は、渡辺容疑者が「神のエステ」グループの中心人物であるとみて、厳しく追及している。
男女15人逮捕、組織的な違法営業の実態
今回の逮捕では、渡辺伸也容疑者を含む男女15人が逮捕された。15人という逮捕者の多さは、「神のエステ」グループが組織的な違法営業を行っていたことを示している。
逮捕された15人の中には、渡辺容疑者のほか、店舗の管理者、従業員、フランチャイズ加盟店の経営者などが含まれているとみられる。合同捜査本部は、これらの関係者を逮捕することで、「神のエステ」グループの全容を解明しようとしている。
組織的な違法営業は、個人経営の違法営業よりも悪質であり、社会に与える影響も大きい。合同捜査本部は、「神のエステ」グループの組織的な違法営業の実態を徹底的に解明し、厳正に対処する方針である。
メンズエステを装った違法風俗店、増加する社会問題
近年、メンズエステを装った違法な性風俗店が増加しており、社会問題となっている。これらの店舗は、表向きはマッサージやエステを提供すると謳いながら、実際には性的サービスを提供し、高額な料金を請求する。
メンズエステを装った違法風俗店が増加している背景には、インターネットの普及がある。インターネット上では、メンズエステの広告が多数掲載されており、客は簡単に店舗を見つけることができる。しかし、これらの広告の中には、違法な性風俗店の広告も含まれており、客が知らずに違法な店舗を利用してしまうケースもある。
また、メンズエステを装った違法風俗店は、摘発を逃れるために、店舗の名称や営業形態を頻繁に変更することが多い。このため、警察による摘発が困難になっているのである。
風俗営業法違反、禁止地域営業の罰則
風俗営業法では、禁止地域での店舗型性風俗の営業を禁止している。禁止地域で営業を行った場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される。
渡辺容疑者らは、この風俗営業法に違反し、禁止地域で営業を行っていたとみられる。合同捜査本部は、渡辺容疑者らを厳正に処罰するため、証拠の収集を進めている。
風俗営業法違反は、単なる営業許可の問題ではなく、周辺環境への悪影響を防ぐための重要な法律である。禁止地域での営業は、住民の生活環境を悪化させ、青少年の健全な育成を妨げる可能性がある。
金の流れも捜査、マネーロンダリングの可能性も
合同捜査本部は、「神のエステ」グループの金の流れも捜査している。年間10億円以上の売り上げがあったとみられる「神のエステ」グループは、その収益をどのように管理していたのか、また、その収益が他の犯罪に使われていなかったのかが焦点となる。
特に注目されるのは、マネーロンダリング(資金洗浄)の可能性である。マネーロンダリングとは、犯罪によって得た収益を、正当な収益であるかのように見せかける行為である。「神のエステ」グループが、違法営業によって得た収益をマネーロンダリングしていた可能性もある。
合同捜査本部は、売上金の保管先とみられる新宿区のマンションを捜索し、金の流れを解明しようとしている。この捜査によって、「神のエステ」グループの違法営業の全容が明らかになることが期待される。
フランチャイズ加盟店の責任、加盟店も摘発の対象に
「神のエステ」グループは、1都4県にフランチャイズ加盟店を展開していた。これらの加盟店も、違法営業を行っていた可能性がある。
フランチャイズ加盟店は、本部からノウハウを提供され、本部の商標を使用して営業を行う。しかし、加盟店が違法営業を行った場合、加盟店自身も責任を問われる。
合同捜査本部は、フランチャイズ加盟店についても捜査を進めており、違法営業を行っていた加盟店については、摘発する方針である。フランチャイズ加盟店の経営者も、本部の指示に従って違法営業を行っていた場合、刑事責任を問われる可能性がある。
客の個人情報も押収か、プライバシーへの影響も懸念
合同捜査本部は、関係先約42カ所を家宅捜索した際、客の個人情報も押収した可能性がある。メンズエステ店では、客の氏名、電話番号、住所などの個人情報を記録していることが多い。
これらの個人情報が押収された場合、客のプライバシーへの影響が懸念される。違法な性風俗店を利用したことが明らかになれば、客の社会的信用が失墜する可能性もある。
ただし、警察は、捜査上必要な範囲でのみ個人情報を使用し、不必要な情報の漏洩を防ぐための措置を講じている。客の個人情報が不当に公開されることはないと考えられるが、違法な性風俗店を利用したことが明らかになるリスクは残る。
「神のエステ」事件が示す、メンズエステ業界の闇
「神のエステ」事件は、メンズエステ業界の闇を浮き彫りにした。メンズエステと称しながら、実際には性的サービスを提供する違法な店舗が多数存在し、年間10億円以上の売り上げを得ているという実態が明らかになった。
メンズエステ業界は、本来は男性向けの美容・リラクゼーションサービスを提供する健全な業界であるべきである。しかし、一部の業者が違法な性風俗店を経営し、業界全体のイメージを悪化させている。
「神のエステ」事件を教訓に、メンズエステ業界は自浄作用を働かせ、違法な店舗を排除する必要がある。また、警察も、メンズエステを装った違法風俗店の摘発を強化し、業界の健全化を図る必要がある。
今後の捜査、全容解明と厳正な処罰を
合同捜査本部は、今後も「神のエステ」グループの捜査を続け、全容解明を目指す方針である。特に、金の流れの解明、フランチャイズ加盟店の違法営業の実態、マネーロンダリングの有無などが焦点となる。
「神のエステ」事件は、年間10億円以上の売り上げを得ていた大規模な違法営業であり、社会に与える影響も大きい。合同捜査本部は、渡辺容疑者ら関係者を厳正に処罰し、同様の事件の再発を防ぐ必要がある。
また、メンズエステ業界全体の健全化を図るため、警察は今後もメンズエステを装った違法風俗店の摘発を強化する方針である。違法な店舗を排除し、健全なメンズエステ業界を育成することが、社会全体の利益につながるのである。