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350万ページ「エプスタイン文書」公開でアンドリュー王子の裸体写真流出、トランプ氏の名前4500回登場、世界のエリート層を揺るがす性的虐待スキャンダル

エプスタイン文書

2026年1月30日、米国司法省は性的人身売買事件で有罪とされた富豪ジェフリー・エプスタイン元被告(2019年死亡)に関する350万ページを超える膨大な資料を公開した。文書約300万ページ、画像約18万点、動画約2000点という史上最大規模の公開となり、世界中のエリート層を巻き込む性的虐待スキャンダルの全貌が明らかになりつつある。公開期限は6週間も過ぎており、トランプ大統領の署名を経て成立した「エプスタイン文書透明化法」に基づく義務的な公開となった。

アンドリュー王子の衝撃的な写真が流出

今回公開された文書の中で最も衝撃的だったのは、英国チャールズ国王の弟であるアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏(元王子)に関する証拠だ。エプスタインが2011年に送ったメールには、「彼女はアンドリューと写真に納まった」と記されており、王子が長年否定してきたバージニア・ジュフリー氏との面識や写真の存在を裏付ける内容となっている。

さらに衝撃的なのは、室内の床に横たわるアンドリュー氏とみられる人物の写真が公開されたことだ。写真には、女性が仰向けに横たわり、その両腕の間でカメラを見つめる男性の姿が写っていた。この写真は、アンドリュー氏が「一切の不正行為」を否定してきた主張を根底から覆すものとなっている。

バッキンガム宮殿での密会とロシア人女性の紹介

公開されたメールには、エプスタインと「公爵」と呼ばれる人物が、「プライバシーがたくさん」あるバッキンガム宮殿で夕食をとることについて相談している内容が含まれている。メールには「A」という署名や、「HRHヨーク公爵KG」と読める署名が付けられており、この「公爵」がアンドリュー氏であることは明白だ。

さらに別のメッセージでは、エプスタインが「公爵」に26歳のロシア人女性を紹介すると申し出ている。これらのメールが交信されたのは2010年8月で、エプスタインが未成年者を勧誘した罪を認めた2年後のことだった。

日付 内容
2010年8月 バッキンガム宮殿での夕食相談、26歳ロシア人女性紹介の申し出
2011年 「彼女はアンドリューと写真に納まった」メール
2022年 多額の和解金を支払い、公務から引退
2024年 軍の名誉職や「殿下」の称号を剥奪
2026年1月 「王子」の称号もチャールズ国王によって剥奪

元妻サラ・ファーガソン氏の「レジェンド」発言

アンドリュー氏の元妻サラ・ファーガソン氏も、エプスタインと親密な関係にあったことが明らかになった。2009年4月4日付のメールには、「愛を込めて、赤毛のサラより!!!」と署名され、エプスタインを「私の親愛なる、素晴らしく特別な友人、ジェフリー」、「レジェンド」と呼び、「私はあなたをとても誇りに思っている」と書いている。

このメールが交換された当時、エプスタインは2008年の有罪評決のため、まだ自宅で監禁された状態にあった。性犯罪者として登録されている人物を「レジェンド」と称賛していたことは、英王室の倫理観を疑わせるものだ。

トランプ大統領の名前が4500回登場

今回公開された資料では、トランプ米大統領の名前が少なくとも4500回登場している。連邦捜査局(FBI)が昨年夏にまとめた、トランプ氏とエプスタイン氏に関する一般市民からの情報提供リストも含まれており、その多くは性的虐待に関する告発だ。

ただし、米司法省は「文書の中には、2020年の選挙直前にFBIに提出された、トランプ大統領に対する事実無根でセンセーショナルな主張が含まれている」とし、「明確にしておくが、それらの主張は根拠がなく虚偽だ」との見解を付記している。

トランプ氏はエプスタイン氏との親交は認める一方、関係は途中で悪化し、性犯罪には一切関与していないと主張してきた。エプスタイン氏の関わる事件の被害者から告発を受けた事実も確認されていない。しかし、4500回という異常な頻度で名前が登場することは、両者の関係の深さを物語っている。

政財界のエリート層との交流

エプスタイン文書には、世界中の政財界のエリート層との交流を示す内容が含まれている。

ビル・ゲイツ氏

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏の名前も文書内に頻繁に登場する。ゲイツ氏はエプスタインとの関係について、「慈善活動に関する助言を求めただけ」と説明してきたが、文書公開により、その関係の深さが明らかになる可能性がある。

イーロン・マスク氏

実業家イーロン・マスク氏の名前も文書内に登場する。マスク氏とエプスタインの具体的な関係は不明だが、エリート層のネットワークの一端が明らかになっている。

ピーター・マンデルソン卿(元駐米英大使)

英労働党の重鎮ピーター・マンデルソン卿は、2024年12月に駐米英大使に任命されたが、1年もたたないうちに解任された。理由は、有罪とされたエプスタインを応援するメッセージを送っていたことが明らかになったためだ。

文書によると、エプスタインは2009年に、マンデルソン卿の夫レイナルド・アヴィラ・ダ・シルヴァ氏に1万ポンド(約210万円)を送金していた。また、マンデルソン卿がエプスタインが所有する建物の一つに滞在することを願い出るメールも公開されている。

マンデルソン卿は「彼のうそにだまされた」と述べているが、性犯罪者として登録されている人物から金銭的支援を受け、その建物に滞在を願い出ていたことは、政治家としての倫理観が問われる。

その他の著名人

文書には、以下の著名人の名前も登場している。

  • ビル・クリントン元米国大統領(エプスタインのプライベートジェット「ロリータ・エクスプレス」を複数回利用)
  • スティーブン・ホーキング博士(物理学者)
  • マービン・ミンスキー氏(AI研究者)
  • レスリー・ウェクスナー氏(実業家)
  • エフード・バラク氏(元イスラエル首相)
  • マイケル・ジャクソン氏(歌手)
  • レオナルド・ディカプリオ氏(俳優)
  • デビッド・カッパーフィールド氏(マジシャン)

エプスタイン事件の闇

2008年の「世紀の甘い取引」

エプスタイン事件の闇の深さを象徴するのが、2008年の司法取引だ。当時、連邦検事だったアレクサンダー・アコスタ氏が主導した司法取引により、エプスタインは連邦レベルでの訴追を免れ、州レベルの軽い罪で済まされた。この取引は「世紀の甘い取引」と厳しく非難されている。

エプスタインは刑期の大部分で、昼間はオフィスで仕事をし、夜に刑務所に戻ることが許されていた。性犯罪者に対する異例の優遇措置は、エプスタインが持つ権力者との人脈が影響したと考えられている。

2019年の不審な死

2019年7月、エプスタインは未成年者の性的人身取引の罪で再逮捕された。しかし、裁判を前にして8月にニューヨークの拘置所内で死亡した。公式な死因は自殺とされたが、監視カメラの故障や看守の不審な行動など、多くの謎が残されている。

世論調査によれば、アメリカ国民の45%がエプスタインは殺害されたと考えており、自殺と信じているのはわずか16%だ。エプスタインが持っていた政財界のエリート層に関する情報を封じるために殺害されたという陰謀論が根強く残っている。

被害者への補償

「エプスタイン被害者補償プログラム」は2021年に終了するまでに、約150人の被害者に対して総額1億2100万ドル(約180億円)以上を支払った。JPモルガン・チェースやドイツ銀行も、エプスタインとの取引関係を理由に被害者との間で多額の和解金を支払っている。

しかし、金銭的補償だけでは、未成年時に受けた性的虐待の傷は癒えない。被害者の多くは、今も心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんでいる。

社会的影響と今後の展開

権力と免責の構造

エプスタイン事件は、富と権力が司法を歪める構造を浮き彫りにした。2008年の「世紀の甘い取引」は、金と権力があれば重大な性犯罪でも軽い処罰で済むという、司法の不公平さを象徴している。

組織的な性的搾取ネットワーク

エプスタイン事件は、単独犯による性犯罪ではなく、組織的な性的搾取ネットワークの存在を明らかにした。ギレイン・マックスウェル受刑者は、エプスタインの共犯者として未成年者を勧誘し、性的虐待に加担していた。

文書公開により、このネットワークがどこまで広がっていたのか、他にも共犯者がいたのかが明らかになる可能性がある。

情報公開の重要性

今回の文書公開は、「エプスタイン文書透明化法」に基づくものだ。権力者による犯罪を隠蔽させないためには、情報公開の重要性が改めて認識された。

ただし、司法省のトッド・ブランチ副長官は、「今日の公表によって、米国民に対する透明性と法令順守を確実にするための、非常に包括的な文書の特定と審査のプロセスは終了となる」と述べており、これ以上の文書公開は行われない可能性が高い。

まとめ

350万ページを超える「エプスタイン文書」の公開は、世界中のエリート層を巻き込む性的虐待スキャンダルの全貌を明らかにしつつある。アンドリュー元王子の裸体写真流出、トランプ大統領の名前4500回登場、ビル・ゲイツ氏やイーロン・マスク氏など政財界の大物との交流など、衝撃的な内容が次々と明らかになっている。

エプスタイン事件は、富と権力が司法を歪める構造、組織的な性的搾取ネットワークの存在、情報公開の重要性など、現代社会が抱える深刻な問題を浮き彫りにした。被害者への補償は進んでいるが、心の傷は簡単には癒えない。

今後、文書の詳細な分析が進むにつれて、さらなる衝撃的な事実が明らかになる可能性がある。世界中が注目するこのスキャンダルは、まだ終わっていない。

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